高機動車 3Dモデル 制作日記

TVアニメ向け高機動車3Dモデル日記。
ワイヤリングパラメータでタイヤが進む距離について。
37インチタイヤが1回転した際に進む距離の「設定値」
(進む距離ではなく、設定する値)

まず答えを。

「Y_位置/46.99」

がワイヤパラメータに仕込むテキスト。
Yは「+」が進行方向の場合。

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【円の回転量】(ワイヤリングパラメータに仕込む数値)

 [円弧の長さ÷半径]
 メガクルーザーのタイヤは「37インチ(外径)」で、
1インチは「2.54」なので、

 37×2.54=93.98cm

 これは直径なので、さらに

 93.98÷2= 

 46.99cm

 これがワイヤパラメータに入れる数値。

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さらにこれが正しいか確認してみたのが上述の画像。

【タイヤが1周して進む距離】=【円弧の長さ】

 [タイヤ外径×インチ×3.14]

 37×2.54×3.14=

 295.0972cm


①計測用にスプラインでこの長さのカーブを作る。

②タイヤの接地面に①の開始点を合わせて進む距離となるモデルを表示。

③タイヤに適当なオブジェ(目印用)を子供付けしてクルマを移動。
※ワイヤ付けしてあればタイヤが回転。

④移動後、①の終点に③のオブジェクトの進行方向面が一致してればOK。

という事で画像では一致してるのでこの数値でOKだった。

※注意点として「単位設定」でインチを使用しつつ、
表示はセンチで進めている場合、再度インチに直す必要がある。

モデリングする際はセンチの方がやりやすいので注意が必要。
これでつまづいた。

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フロントサスにリグ追加。
タイヤに荷重がかかった状態。

モチーフ的に絶対フロントのタイヤハウスが見えるカットがありそうなので、
少しだけ作りこんである。
骨じゃなくルックアットを使用してるものの、
配線類があるので本来なら骨にすべきなんだけど、
作業的にはTV用から零れるのでこの程度に。
リグ仕様。
パスコンストレイントなので、
アニメーターが動かすのは赤のみ。
※パスコンでないならば大外の枠も動かす。

「コース」「総フレーム」「沈み込み」等、数値による初期設定は青。
数値設定のみは黄。

コースを変えたい場合は、
パスを引いてE、Fを再設定する。
接地は設定済みなので地面を変えるだけで行けた。
パスコンストだけならこのモーション。
 
最高のチュートリアルだった。
最後にスケマティック見せてくれれば完璧だったが、
「省略をいっさいしない」ので、
自分が何処でミスったか分かる。


仕様上仕方ないが、
ワイヤリングパラメータの受け側が1個までなので、
車体のピッチとロールを「ステアリング」と「任意」では出来ず、
どちらかに絞るしかないっぽい。

「ステアリングを切った際に自動でロールする」か、
「任意でロールする」かのどっちかしか出来ない。
ただ、前者だと停車しててもロールするので、
モブ車として背景で走ってる時はリグを弄れば良い。
ステアリングにワイヤパラメータを入れ替えるだけ。

因みに同じパラメータに1つワイヤ付けしてから2つ目を仕込むと、
2個目しか動作しないっぽい。
要するに1個上の命令までしか認識しない。

今回で言えば、
スクウィッシュをタイヤに直接仕込んでいるので、
更に荷重コンに仕込んでしまうとスクコンでは動作しない。
構造的には出来そうなんだが。

あと車体のロールピッチは揺れ骨でも試してみたんだけど、
この2つは「車体の回転」なので、
揺れ骨の「前後左右にスライド」だとまったくそれらしく見えない。
ここまで来たらあとはまあアニメーターが車体上部の
リング(ピッチ、ロール)で少し動かせば良い。

動画のリグ自体、かなり完成度が高い思う。
ゼロから付け直したので、
サスペンションの骨と揺れ骨を付けるくらい。

Mayaで言うエクスプレッションも、
タイヤが一周したときに進む距離の
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pi = 3.141
distance = *任意*
percent = direct input
radius = *任意*
(percent*distance*pi)/(pi*radius)
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distance
percent
radius
を作ってそこに上の式を入れるだけ。
距離はそもそもパスに出てくるし、
タイヤの半径はメジャーツールで計れる。


まだまだ分からない事だらけだが、
少しリグも分かった気がする。

試供品としてはこの辺りまであれば良いか。

MaxでAO。
ペンシルの主線として指定してるからだけど、
ハイライトが硬いだけでこんなに安っぽく見えてしまうという見本にはなる。